
電子帳簿保存法の施行やテレワークの普及でオフィスでのペーパーレス化が進んでいます。
しかし、実際にペーパーレス化と聞いてもイメージがわかない方も多いはず。
導入を先延ばしにして、膨大な紙の書類に時間やスペースを割いていませんか?
この記事ではペーパーレス化について解説。メリット・デメリットから導入事例などを紹介します。
ペーパーレス化とは
その名の通り「紙の使用を少なくする」ことです。紙媒体で管理していた書類や名簿、資料を電子化しパソコンやタブレット、スマートフォンなどで閲覧できるようにします。
判子や手書きのサインにかわる電子署名も最近はビジネスの場で活用されてきています。
今まで紙媒体の資料を管理していたスペースを削減する、保存や管理に割いていた時間を短縮するといった業務の効率化を進める目的があります。
ペーパーレス化に潜む課題
「業務を効率化させるためにもペーパーレス化を進めよう!」と考えても、そこには大きく2つの課題があります。
1つ目の課題が「コスト」です。ペーパーレス化を進めるにはツールが必要であり、導入するコストがかかります。
大企業であれば、資料の数も膨大ですからある程度コストをかけてペーパーレス化を進める事で大幅な業務改善につながります。しかし、中小企業では費用対効果が感じられないままコストの回収まで時間がかかってしまうこともあります。
2つ目の課題が「手間がかかる」ことです。新規の書類は電子データで簡単に作成・保存ができますが、既存の書類を電子データにするためにはスキャナーなどで取り込む必要があり手間がかかります。
ペーパーレス化で知っておきたいメリット・デメリット
ペーパーレス化のメリット
ペーパーレス化を進めるにあたってメリットが4つあります。
1つ目のメリットは「業務の効率化」がはかれる点です。電子データとすることで、見たい資料や探している書類がすぐに見つけられます。また、保存環境を整えることでパソコンをはじめスマートフォンなど様々な端末からアクセスできるようになり、情報の共有が簡単になるでしょう。
2つ目のメリットは「スペースの有効活用」が可能になる点です。紙媒体の資料や書類は、スペースを取りますし、保存や管理など整理整頓に時間がかかります。ペーパーレス化を進めることで、保管に使っていた場所が必要なくなるので、オフィスのスペースを有効活用できます。
3つ目のメリットは、コストの削減です。紙媒体の書類は、どうしても印刷代・インク代・機器のメンテンナンス費用・資料の郵送費・廃棄費用などさまざまなコストがかかります。ペーパーレス化を進めることで、印刷や郵送といった人的なコストも削減できます。
4つ目のメリットは、セキュリティが強化できる点です。電子データはパスワードやアクセス権を設定できるので、情報の漏洩や紛失のリスクを抑える事が可能です。また紙媒体の書類と異なり、経年劣化しません。
ペーパーレス化のデメリット
ペーパーレス化にもデメリットがあります。
1つ目のデメリットは「資料全体が見づらくなる」ことでしょう。PDFの資料を見ていて、前のページに戻りたい時に何度もスクロールをしなくてはならずイライラした経験がある方も多いのではないでしょうか。複数のページに渡る資料もですが、サイズの大きい資料を閲覧する時にも注意が必要です。
2つ目のデメリットは「コストがかかる」点でしょう。ペーパーレス化の導入にはコストがかかります。またセキュリティ対策のためのソフトウェアをダウンロードしたりや環境整備をしたりといった手間も必要です。
3つ目のデメリットが「システム障害のリスク」でしょう。ネット環境やシステムに不具合が起きて、資料にアクセスできなくなるといったリスクがあります。
ペーパーレス化を進める前の注意点
ペーパーレス化を導入する場合、注意すべき点があります。
「一度に全てをペーパーレス化しない」ということです。1度に全ての書類や資料をペーパーレス化しようとしても、現場が混乱してしまうでしょう。
まずは「効率化させたい業務」を明確かさせてください。
例えば「膨大な量の名刺」に悩んでいるのであれば「顧客情報」を電子化させるべきです。「資料の山にスペースを多く割いている」なら「資料」を電子化させましょう。
部署やプロジェクトごとに書類を分類し、徐々に導入するよう覚えておいてください。
ペーパーレス化の例
この項目では、実際のペーパーレス化事例を解説していきます。
ペーパーレス会議
ペーパーレス化でまず課題にあがるのが「会議のペーパーレス化」でしょう。会議は一般的に複数人数で行い、資料を何枚も用意する必要があります。そのため、書類の印刷コストがかかります。
ペーパーレス会議なら、全員がタブレットを見ながらクラウドに共有された資料を見て、会議が進められます。
印刷コストが削減でき、会議中の聞き漏らしも防止できます。
経費精算
経費精算に必要な請求書や領収書は紙媒体ですから、印刷コストがかかりますし、保管しておくスペースも必要です。
経費精算をペーパーレス化することで、印刷も不要ですし、領収書や請求書などを保管しておく必要もなくなります。
また経費精算のソフトウェアには一般的に、申込書の作成から処理まで一連の流れが組み込まれているものですから手続きが簡略化されます。
申請書
申請書や稟議書を紙媒体で運用している場合、多くの役職者の印鑑が必要になり申請から承認まで時間がかかります。テレワーク中に稟議書を提出するために出社した…こんな経験がある方もいるのではないでしょうか。
これらをペーパーレス化することで、自宅にいても稟議申請が可能になります。また電子署名を導入することで、実際に対面で印鑑を捺印する必要がなくなります。
ペーパーレス化で業務を効率化しよう
オフィスでペーパーレス化を進める事で、保存や破棄に割いていた時間を短縮できますし、印刷代などのコストが削減できます。さらに、紙媒体の書類を置いていたスペースがなくなることでスペースを有効活用できるようになるでしょう。
ペーパーレス化を導入する場合、一度に全てのデータを電子化しようとすると失敗します。
まずは効率化させたい業務や抑えたいコストを確認し、目的に沿ったツールを活用してペーパーレス化を進めていきましょう。
