
技能実習生の失踪者は増加傾向にあります。(技能実習生の失踪者数の推移)
約一万人が職場から失踪しているという事実がある中、もっとも多い失踪者を出しているベトナムの技能実習生事情に詳しいベトナム在住VIT Japan代表の猪谷氏によると、よく耳にするのは茨城などの北関東で農業の手伝いをしているという話。
しかし、働き口が見つからずアングラな世界に行ってしまう人もいるようです。
日本で暮らしていくため、または借金をしていると、悪い人たちの言う事も聞かなければならず、犯罪に手を染めてしまうという可能性があります。
過去記事引用:
過去に特殊詐欺の出し子として逮捕されてニュースになっていたこともありました。もしかしたら、逮捕された人は、何で逮捕されたのかわかっていないという可能性もあります。SNSなどで高収入の情報を知り、言われた通りにATMからお金を引き出したら捕まり、法律も背景も知らずに困惑しているかも知れないですね。
実習先に不満を持ち、SNSなどで知った情報を頼りに失踪したりもしますが、その先の実情は実習生活よりも過酷なようです。
先ほどもお話した通り、日本国内のベトナム人相手に儲けている人もいますし、犯罪グループのトカゲのしっぽ切りのように使われてしまう人もいるようですね。
▼過去記事はこちら
技能実習生の帰国後は?② ~失踪後~
技能実習生の失踪は、企業や実習生にとって重大な問題であり、企業が失踪を防ぐためには、さまざまな対策を講じることが重要です。失踪の原因としては、労働条件や待遇の不満、コミュニケーションの問題、文化の違い、個人的な事情などが挙げられます。以下に、企業が実施すべき具体的な対策を紹介します。
1. 適正な労働条件の提供
技能実習生が失踪する原因の一つは、過酷な労働環境や不適切な労働条件です。企業は実習生に対して、以下の点を守ることが大切です。
- 適正な労働時間を設定し、法定労働時間を超えた過剰な労働を避ける。
- 十分な休息時間や休日を提供する。
- 給与の支払いが遅れないようにし、最低賃金を守る。
- 職場環境の改善に努め、清潔で安全な作業環境を整える。
労働条件が良好であれば、実習生は不満を抱くことが少なく、失踪のリスクも減少します。
2. 良好なコミュニケーションの確保
言葉の壁や文化の違いから、実習生と企業側のコミュニケーションがうまくいかないことがあります。企業は以下のような取り組みを行うことが重要です。
- 日本語教育の提供:日本語が不自由な実習生には、日本語教育を積極的に行い、コミュニケーションを円滑にする。
- 定期的な面談やチェックイン:実習生との定期的なコミュニケーションを行い、彼らの不安や問題を早期に把握する。
- 文化的な理解:日本の文化や職場でのマナーに関する指導も行い、文化的な衝突を減らす。
実習生が自分の意見を伝えやすい環境を作ることで、問題が未然に防げることがあります。
3. 生活支援と心のケア
実習生が失踪する理由の一つは、生活環境や孤立感にあります。企業が生活支援を行うことで、実習生が安心して生活できる環境を提供することができます。
- 住居の提供:適切な住環境を提供し、生活面での不安を軽減する。
- メンタルヘルスケア:精神的なサポートが必要な実習生に対して、カウンセリングやサポートサービスを提供する。
- 地域とのつながり作り:地域社会との交流や、同じ国から来た実習生とのコミュニティ作りを促進することで、孤立感を減らす。
生活の不安が少なくなれば、実習生が日本での生活に満足し、失踪のリスクも減少します。
4. 実習生の理解と目的意識の共有
実習生は、日本での生活や仕事の目的を理解していないと、途中で挫折し失踪することがあります。企業は実習生に対して、以下のことをしっかり伝えることが重要です。
- 実習の目的の明確化:実習生に対して、日本で技術や知識を学ぶことの重要性や、帰国後のキャリアにどれだけ役立つかを説明する。
- キャリアパスの提示:実習後にどのようなキャリアが開けるのか、具体的な例を挙げて説明し、目標を持たせる。
- 日本での生活のメリット:日本で得られる経験やスキルが、彼らの母国でどれだけ貴重なものであるかを伝える。
実習生が自分の目的や将来に対して明確なビジョンを持つことができれば、失踪を防ぐ手助けになります。
5. 違法な行動を取らないこと
一部の企業では、実習生に対して不適切な指導や違法な行動を取ることがあります。これが原因で実習生が失踪することもあるため、企業は法令を遵守することが非常に重要です。
- パスポートや身分証の管理:実習生のパスポートや身分証明書を無断で管理したり、保持したりしない。
- 不正行為を防ぐ:不正な契約内容や契約の変更を避け、実習生が納得した形での労働条件を提供する。
- 適切な監査と報告:企業内部での適切な監査を行い、問題があればすぐに改善する。
法律を守り、実習生の権利を尊重することで、失踪を防ぐとともに、良好な労使関係を築くことができます。
6. 実習生に対するフォローアップ体制の強化
企業は実習生が職場や生活環境で抱えている問題を早期に発見し、対処できるようにする必要があります。定期的に実習生の状況を確認し、必要なサポートを提供することが重要です。
- 定期的な報告や面談:実習生がどのような状況にあるか、問題点がないかを確認するための定期的な面談やアンケート調査を実施する。
- 緊急時の対応体制:実習生が失踪しそうな兆候があれば、早期に対応できる体制を整えておく。
まとめ
企業が技能実習生の失踪を防ぐためには、適切な労働環境の提供や十分なコミュニケーションを行うことが基本です。また、生活支援やメンタルケアを強化することで、実習生の不安や孤立感を軽減し、彼らが安心して働ける環境を作り出すことが求められます。企業と実習生が信頼関係を築き、共に成長できるような体制を整えることが重要です。
▼技能実習生の管理システム
https://g-worker.jp/
