ベトナム在住VIT Japan猪谷氏に聞く技能実習生事情!今回は、技能実習生を含めたベトナムのお見合い事情についてお話を伺いました。

取材者

前回、一時帰国の間にたくさんお見合いさせられるなんて話もあるとおっしゃっておりましたが、ベトナムはお見合い結婚が多いのでしょうか?

猪谷氏

ベトナムの北部は特に、家系を残すという意識が強く、男系で継いでいくという意識も強いです。なので、北部では1:1.2くらいの割合で男児出生が多いとも言われていて、今後結婚できない男性が続出すると言われております。

ベトナムの旧正月にあたるテトの時期は、一大お見合いシーズンとも呼べます。

仲人おばさんのようなお世話好きの人達が、結婚適齢期の子の経歴を持って村中を回るなんて光景も見られます。

ベトナムでも結婚する年齢が上がってきましたが、それでも20代後半で結婚していないと「なんで結婚しないの!?」と強めに圧をかけられます(笑)

そうなってくると、そう言われるのが嫌で帰らない子とかも出てきてしまうんですね。

面白いサービスもあって、無理やりお見合いさせられるのが嫌でテトの時期になると「レンタル彼氏(彼女)」のサービスが流行ったりもするんですよ。

実際にあったエピソードなのですが、テトの時期になり田舎に帰ると、親戚とかが集まるので皆さんにお茶やお菓子を出すんですね。そこに、毎日来る“知らない人”がいたのですが、遠い親戚なのかな?と思い、その毎日朝から晩まで来る知らない人にお茶などを出していたんですよ。そうしたら、親切な親戚のお姉さんが、「あの人、あなたのお見合い相手としてここに連れて来られてるのよ」と教えられて、ビックリ仰天したなんて話もあるんですね。そのくらい強引に、またはだまし討ちのような形でお見合いさせられるケースも多く、田舎に帰るけど部屋から出てこないでみんなが寝静まったあとにごはんを食べるなんて人も現れてくるわけなんです。

取材者

それはかなりの圧力を感じますね(笑)今の日本では考えられないですね。そういう文化があるからこそ、前回お話してくださったように、技能実習生が一時帰国するタイミングでたくさんお見合いさせられるんですね。ただ、一時帰国の短い間に結婚の話がまとまっちゃうほど、出会ってすぐに結婚する文化なのでしょうか…?

猪谷氏

そうですね、お見合いは結婚する前提で話が進められておりますので、早ければ1ヶ月くらいで結婚します。技能実習生が特定技能に切り替わるタイミングで一旦帰国して、その時に結婚の話をまとめていたりします。技能実習生はベトナムの中でも田舎から来ている人が多いので、古風な考え方を持っていたりします。

さらに、実習中もある意味閉鎖的な環境におりますので、都会で働くベトナム人の若者よりも古風な価値観のまま過ごして結婚適齢期に近づきます。

特に結婚相手になりそうな人と出会うこともなく過ごしていると結婚に対して焦っていたりもしますので、そんな時に田舎に帰ってお見合い相手を紹介されたりするものですから話もまとまりやすいんですね。また、相手としても、特定技能で稼いでくることが保証されている相手になりますので、ベトナムの田舎の方で暮らしている周りの人達よりも給料が高く、女性にとっても嬉しいのです。

日本では、特定技能1号は原則家族帯同不可なのがかわいそうという声もあったりしますが、しっかり稼いできてくれるとなると、不在でも女性は納得します。そのまま田舎で貧しい暮らしをするよりは、特定2号になって呼び寄せてもらって最低限の暮らしが保証されている方がいいと考える女性も少なくないんです。そうなると、実習実施企業側にもメリットがあって、家族が帯同していて転職すると、子どもは転校をするなど子育て環境を変えることになり、日本語が上手ではなく日本の暮らしに慣れてない配偶者が必ず反対します。

そのため転職されにくくなり、企業への定着率が上がります。企業側は今後、家族を呼び寄せて暮らすという形を見据えた環境作りを心掛けていくといいと思います。

取材者

確かにそうですね。今回も貴重なお話ありがとうございました。

株式会社VIT Japan 代表取締役
猪谷 太栄  (Inotani Takahide)

大学卒業後、関西の大手私鉄会社に就職。その後、ベンチャー企業支援コンサルタントに転職し、アジアへの進出支援、ビジネスマッチングイベントのプロデュースも行う。2005年、上海起業家登龍門、2007年にホーチミン起業家登龍門をプロデュース。その際、ベトナムの成長可能性を大きく感じ、2010年3月株式会社VIT Japan設立。以来ベトナムにて活動中。