BPOとは「business process outsourcing」の略語であり、自社の業務を外部へ委託することを意味しています。
BPOの導入を検討しているが、どのような業種が対応しているのか、導入するべき判断基準はどうかといったことで悩んでいる方は多いものです。
この記事では、BPOとアウトソーシングの違いといった基本的なことから、対応業務や導入の判断基準、メリットなどを簡単にわかりやすく解説していきます。
BPOとは
BPOとはビジネスプロセス・アウトソーシングのことであり、自社業務を外部企業へ委託することです。
アウトソーシングという単語には「外部委託」という意味がありますが、単なる一業務を委託するのではなく、ビジネスプロセス、つまり業務工程を全て委託するという意味になっています。
BPOとアウトソーシングの違い
通常のアウトソーシングは、一部の業務や一時的な業務を外部委託することを意味します。
人手不足を補うための外部委託とイメージするとわかりやすいでしょう。
一方でBPOの場合は、業務工程を一括で外部委託します。業務の効率化や業務フローの改善といった領域まで、BPOの委託内容に含まれます。
BPOに対応している業務はどんなもの?
BPOに向いている業種は、バックオフィス業務です。以下に挙げるような、業務を定型化できる領域はBPO活用に最適です。
- コンタクトセンター
- 総務、庶務
- 経理
- 人事・労務
- 営業事務
- SI
- コンサルタント
ルーティンワークの多い経理や総務といった間接業務はBPO導入に向いている業種の代表と言えるでしょう。
BPO導入への5つのチェック項目
業務の難易度
導入を検討している業務を「専門性」「経験」「権限」、3つの観点から業務内容を考えた時、難易度が低くノンコア業務であるならBPO導入に向いていると言えます。
業務が定型できるか否か
業務が定型化できている、フローや手順が決まっているのならBPOを活用すべきです。
1人のスタッフが負担している業務であっても、マニュアル化しBPOを導入することでスタッフの負担軽減につながります。
業務量
業務量が多く、スタッフの負担が高い業務はBPO導入を検討してみてください。
ノンコア業務を外部へ委託することで、スタッフの負担が軽減され、残業時間の削減といったコストを抑えることができるでしょう。
業務の繁閑度
業務の繁忙期と閑散期の差が大きい場合、BPOを導入すべきです。
BPOは業務量に応じて費用が変動する仕組みですから、費用の負担を抑えられる可能性があります。
繁忙期にスタッフを増やすといった採用の手間もなくなるため、時間やコストを大幅に削減できるはずです。
新規事業の立ち上げ
新しい事業を始める場合にも、BPO導入を検討してみてください。
自社で対応する場合、業務工程が多く採用や設備準備などで多くの時間と手間がかかります。
BPOを導入することで、素早い対応が可能になるでしょう。
BPO導入するまでの手順を解説
現状把握
まず業務プロセスや業務内容を確認しましょう。
スタッフへのヒアリングを行って「時間がかかる」「人手が不足している」といった問題点を洗い出しておきましょう。
「前任者から引き継いだ業務だが、実は必要のない業務だった」ということは多々あります。
他にも「ベテランスタッフが一任していたがマニュアル化すれば誰でもできる業務だった」という事例も多いものです。
現在の業務を可視化して「業務一覧業」を作成してみましょう。
BPOの目的を明確化する
一般的にBPOを導入するのは「コア業務へ集中する」という目的があります。
一方で「社員数減少のリスクへ対応するため」といった目的もあります。例えば、年齢の高い社員ばかりで構成されているノンコア業務をイメージしてみてください。毎年何名も定年退職になれば、その業務は維持できません。
こうしたケースでもBPOを活用することで、業務が継続できる仕組みを構築することが可能になります。
BPOを導入する目的は、企業を取り巻く環境によって異なりますが、導入前に明確化しておきましょう。
BPOサービスを選定する
BPOを導入する目的を明確化し、委託する業務内容が決まったらサービスを選定します。
サービスを選ぶ際は、以下のような点に注意してください。
- 委託を検討している業務に対応しているか
- 導入実績があるか
- 初期費用やランニング費用が適正か
- セキュリティ体制が整っているか
BPOは、委託したい業務への専門知識やスキルを持っていることはもちろんのこと、実績やセキュリティ対策なども鑑みて検討しましょう。
コストが安いからといって、あまり考えずに委託した結果、情報漏洩や後から莫大な費用を請求されるといったリスクもあるので注意が必要です。
BPO導入の際の注意点
BPOを導入するさい、以下の2点に注意しましょう。
一つ目は、社内にノウハウが蓄積しない点です。業務工程を一括して委託するため、対象となる業務のノウハウが社内に蓄積できません。
BPOに一度は委託したものの、社内に戻すことになった場合、スムーズに移行できない可能性があります。
委託先と業務工程について情報交換を行うなど、連携をはかる事を忘れないようにしましょう。
二つ目は、情報漏洩のリスクがあるということです。スタッフや顧客の個人情報はもちろん、財務内容や事業機密に関わる情報を共有するケースもあります。
こうした情報が漏洩しないよう、セキュリティ品質基準を満たした事業者を選ぶようにしましょう。
BPOを活用して業務を効率化!
業務を効率化して、コア業務へ経営資源を集中させたい。
こうした悩みを抱えているなら、BPO導入を検討してみてください。
BPOとは特定の業務を一括して、外部へ委託する方法です。
コア業務へ集中できることはもちろん、新たな人材を採用して育成するといったコストを削減することも可能です。
BPOを導入するためには、現在の業務を可視化することが重要です。
業務一覧を作成して、重要性や専門性、業務量や繁閑差などをしっかりと把握して、現在抱えている課題を明確化してください。
BPOを導入して業務の効率化をはかりましょう。