【電子帳簿保存法】タイムスタンプの導入費用は?電子署名との違いやタイムスタンプ不要な条件も確認

その他

電子帳簿保存法の要件が緩和されたことで、事業者が電子保存システムを導入しやすくなりました。

一方で、電子保存に関して仕組みや費用を理解できていないという方も多いものです。

この記事では、電子帳簿保存法におけるタイムスタンプを解説していきます。

仕組みや導入方法、気になる費用など参考にしてください。

タイムスタンプとは

タイムスタンプは、物理的に押す印鑑やスタンプではありません。

電子文書に付与される「電子的なスタンプ」のことです。

タイムスタンプとには2つの意味があります。

一つ目は、タイムスタンプに刻印されている時刻以前に、該当する電子文書が存在していこと。

二つ目は、刻印された時刻以降、その文書が改ざんされていないことを証明するために使われます。

タイムスタンプの利用方法は?

タイムスタンプを利用する方法は、4ステップで完了です。

  1. タイムスタンプ付与の対象となる書類を用意する
  2. 書類をスキャン、あるいはスマートフォンなどで撮影する
  3. 画像をシステムにアップロードする
  4. タイムスタンプ事業者からタイムスタンプを付与される

タイムスタンプは、事業者が押すものでありません。

信頼できる第三者機関である「時刻認証局(TSA)」が発行を行っています。

電子署名とタイムスタンプの違いは

タイムスタンプと混同しやすい用語として「電子署名」というものがあります。

電子署名はその名の通り署名であり、電子データに付与されています。「誰が」「何を」作成したかが記載されます。

一方で、タイムスタンプは「いつ」「何を」が記載されています。

誰が証明しているかが電子署名、日付や時刻を証明するのがタイムスタンプと、役割が分かれています。

電子署名とタイムスタンプを併用することで、電子データの完全性が高まります。

電子署名とタイムスタンプの注意点

電子データの完全性をより強固なものにしてくれる、電子署名とタイムスタンプですが、注意点があります。

それは、どちらにも有効期限があること。

電子署名の有効期限は、電子署名に用いた電子証明書の有効期間内(通常1~3年)に限られており、電子署名法によっても「電子証明書の発行日から5年を超えない期間」と定められています。

タイムスタンプの有効期間も10年となっています。

有効期限が切れてしまうと、文書が改ざんされていないことが証明できなくなり、有効性が保証されなくなるので注意しましょう。

10年を超える電子契約を行う場合、国際規格である「長期署名」が必要になります。

この規格では、電子証明書やタイムスタンプが付与された電子文書に、保管タイムスタンプを追加します。保管タイムスタンプの有効期限も10年と定められているため、それ以上の長期保管をする場合は再度新しい保管スタンプを付与します。

タイムスタンプを導入するための費用相場

タイムスタンプにかかる費用は2パターンあるので詳しく解説します。

定額制でタイムスタンプを導入する場合

定額制の場合、タイムスタンプの利用数に制限がなく固定で費用がかかります。

タイムスタンプの利用頻度が高いなら、定額制がおすすめです。

従量制でタイムスタンプを導入する場合

従量制の場合、タイムスタンプを利用するごとに料金がかかります。

タイムスタンプの利用頻度が高くない場合は、従量制を選ぶと良いでしょう。

タイムスタンプ費用の注意点

タイムスタンプを導入するさい、初期費用がかかるケースもあります。会員登録に数千円~1万円程。システムを導入するために、10万円~30万円程度です。

初期費用が掛からない方が良いかと思って安い業者にすると、ランニングコストに想定以上のコストがかかることがあるので要注意。

タイムスタンプを導入するさいは、初期費用だけでなく、トータルでいくらかかるのか確認するのを忘れないでください。

タイムスタンプが不要な条件を確認

2022年1月に電子帳簿保存法が改正され、要件が緩和されました。それによってタイムスタンプが不要になる条件が定められたので確認しておきましょう。

タイムスタンプが不要になる条件は「修正・削除の記録が残るクラウドサービスを利用していて、期間内に保存が終わっていること」となっています。

「電子帳簿保存法対応」と明記している、もしくは「JIIMA認証」を受けているサービスを利用しましょう。

JIIMAとは「公益社団法人日本文書情報マネジメント協会」のことです。公式サイトに電子帳簿保存法の要件を満たしたソフトが掲載されているので確認してみてください。

公益社団法人日本文書情報マネジメント協会

まとめ

制定当初、電子帳簿保存法は内容も複雑であり、条件も厳しかったため事業者への導入が進みませんでした。

2022年の大幅な要件緩和を受けて、今後は導入する事業者が増えることが予想されます。

「まだいいよ」「うちは関係ない」このように考えて、対応を怠ると後々トラブルに発展するリスクもあるので注意しましょう。

電子帳簿保存法を適用すると、紙の帳簿を作成・保存・管理する手間が省けるため業務の効率化につながります。

積極的に電子帳簿保存法の適用を検討したいところです。

関連記事

カテゴリー

アーカイブ