はじめに|業務委託契約解除は慎重に

フリーランス新法によって契約解除にもルールが必要に

2024年に施行された「フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)」は、フリーランスと発注企業の取引に新しいルールを設けました。契約内容を明示し、書面や電子データで交付することが義務となったため、契約解除の場面においても曖昧なやり取りはリスクになります。

曖昧な伝え方はトラブルの原因になる

業務委託契約の解除は、発注側・受注側の双方にとってデリケートな問題です。口頭や短いメールで伝えるだけでは「そんな話は聞いていない」とトラブルになりかねません。契約解除を申し入れる際は、明確で記録が残る形で行うことが重要です。

業務委託契約解除の申し入れ文例

基本的な契約解除の文例(依頼する側)

件名:業務委託契約解除のご通知

○○様

平素よりお世話になっております。○○株式会社の△△です。

先般締結いたしました業務委託契約(契約日:20XX年X月X日、契約番号:XXXXXX)につきまして、契約書第X条に基づき、20XX年X月X日をもって契約を解除させていただきたく通知いたします。

契約解除に伴う精算・納品物の取り扱いにつきましては、改めて協議の上対応させていただきます。

以上、よろしくお願い申し上げます。

基本的な契約解除の文例(依頼を受ける側)

件名:業務委託契約解除の申し入れ

○○株式会社 △△様

平素よりお世話になっております。□□と申します。

20XX年X月X日に締結いたしました業務委託契約につきまして、契約条件の履行が困難となったため、誠に恐縮ですが20XX年X月X日をもって解除を申し入れたく存じます。

今後の精算・納品物の引き継ぎにつきましては、誠意をもって対応いたします。

ご理解のほどお願い申し上げます。

文例を使う際の注意点

  • 契約書に基づく条項を明記すること(解除の根拠を明確にする)
  • 解除日を具体的に記載すること(曖昧な日付はトラブルのもと)
  • 記録に残る形で送信すること(メールや書面、クラウド上のデータ保存が望ましい)

契約解除で起こりやすいトラブル

「言った言わない」による認識の食い違い

契約解除の申し入れを口頭だけで済ませてしまうと、「そんな話は聞いていない」と後から言われることがあります。記録がなければ、どちらの言い分が正しいのか判断できません。

契約書やメールが見つからず証拠不足になるケース

契約書ややり取りのメールを紛失してしまうと、解除の正当性を証明できずにトラブルが長期化します。証拠の保管体制が不十分だと、法的にも不利になる可能性があります。

報酬や納品物をめぐる対立

解除時には「ここまでの業務をどう精算するか」「納品済みの成果物をどう扱うか」といった問題が発生しがちです。特にフリーランス新法では報酬支払いのルールが明文化されたため、適切な証拠を提示できるかどうかが重要になります。

クラウドストレージで契約解除トラブルを防ぐ方法

契約書や合意内容を一元管理

クラウドストレージに契約書ややり取りの文面を保存しておけば、いつでも検索・確認ができます。案件ごとにフォルダを整理しておくことで、解除時にスムーズに証拠を提示できます。

タイムスタンプで「いつ伝えたか」を証拠化

クラウド上ではファイルのアップロードや更新日時が自動で記録されます。これにより「解除通知を送った日時」「相手が閲覧した日時」を客観的なエビデンスとして残せます。

セキュリティ設定で安心して共有

閲覧制限やダウンロード制御を設定できるため、相手に安全にファイルを渡せます。これにより、情報漏洩リスクを避けつつ、確実に「相手に届いた」という証拠を残せます。

まとめ|文例+クラウドで安心の契約解除対応を

文例は形式、クラウドは証拠

業務委託契約解除を申し入れる際には、正しい形式で通知することが必要です。しかし、形式だけでは不十分で、その通知を証拠として残す仕組みがなければ安心できません。

フリーランス新法対応のクラウドストレージで信頼を守る

フリーランス新法により、契約解除もルールに沿った対応が求められる時代になりました。クラウドストレージを導入すれば、契約書や通知の管理、証拠保全、セキュリティ確保を同時に実現できます。これにより、発注企業もフリーランスも互いに安心して取引を終えることができ、信頼関係を保ちながら次のステップにつなげることが可能になります。