
育成就労制度では「情報管理」がこれまで以上に重要になる
2027年4月から始まる育成就労制度では、外国人材を受け入れる監理支援機関や受入企業に対して、これまで以上に適切な情報管理が求められます。
育成就労制度では、単に外国人材を受け入れるだけでなく、育成就労計画に沿った育成状況の把握や、日本語教育の実施状況、定期的な面談、相談対応など、継続的なフォローが重要になります。
そのため、管理しなければならない情報は技能実習制度と比べても増加し、紙やExcelだけで運用することに限界を感じるケースも少なくありません。
本記事では、育成就労制度で管理すべき情報やExcel管理の課題、一元管理のメリットについて解説します。
育成就労制度で管理する情報は大幅に増える
育成就労制度では、一人の外国人材についてさまざまな情報を継続的に管理する必要があります。
例えば、次のような情報です。
- 氏名・国籍・生年月日などの基本情報
- 在留資格・在留カード・パスポート情報
- 育成就労計画
- 日本語教育の実施状況
- 面談記録
- 教育記録
- 相談・苦情への対応履歴
- 各種提出書類
- 在留期限や更新時期
- 特定技能への移行状況
これらは、それぞれ別々に管理するのではなく、互いに関連する情報として管理することが重要です。
例えば、面談で把握した課題が教育計画の見直しにつながることもあれば、日本語能力の向上状況が特定技能への移行準備に影響することもあります。
情報が分散していると、必要な情報を探すだけでも多くの時間がかかってしまいます。
Excel管理で起こりやすい5つの課題
1. 最新版が分からなくなる
担当者ごとにExcelファイルを保存していると、「最新版はどれなのか」が分からなくなることがあります。
メールでやり取りしたファイルやコピーしたデータが混在し、誤った情報を参照してしまうリスクがあります。
2. 更新漏れが発生する
在留期限や面談日、日本語教育の受講状況などは継続的な更新が必要です。
しかし、手作業で管理していると更新漏れが発生しやすく、期限管理にも影響を及ぼします。
3. 情報が複数の場所に分散する
Excel、PDF、紙の書類、メールなど、それぞれ別々に管理しているケースは少なくありません。
必要な情報を探すたびに複数のフォルダを確認することになり、業務効率が低下します。
4. 担当者変更時の引き継ぎが難しい
担当者が変わるたびに、「どのファイルを見ればよいのか」「どこまで対応済みなのか」を確認する必要があります。
情報が整理されていないと、引き継ぎにも多くの時間がかかります。
5. 情報漏えいのリスクが高まる
外国人材の個人情報には、在留カード番号や住所、パスポート情報など重要な情報が含まれます。
ローカル保存やUSBメモリでの持ち出し、メール添付による共有などは、情報漏えいのリスクを高める要因となります。
外国人情報を一元管理するメリット
情報を一元管理することで、日々の業務を効率化できるだけでなく、監査や制度対応にも役立ちます。
主なメリットは次のとおりです。
- 必要な情報をすぐに検索できる
- 更新漏れや入力ミスを防止しやすい
- 面談・教育・相談履歴をまとめて確認できる
- 担当者が変わっても引き継ぎしやすい
- 監査時に必要な情報を迅速に提示できる
- 組織内で情報共有しやすくなる
特に、複数の外国人材を受け入れている監理支援機関では、一元管理による業務効率化の効果は大きいといえます。
一元管理しておきたい情報一覧
育成就労制度では、次のような情報をまとめて管理できる環境を整えておくことが望ましいでしょう。
| 管理項目 | 主な内容 |
| 基本情報 | 氏名・国籍・生年月日・連絡先 |
| 在留情報 | 在留資格・在留カード・期限 |
| 育成就労計画 | 計画内容・進捗状況 |
| 日本語教育 | 受講履歴・試験結果 |
| 面談 | 実施日・内容・改善事項 |
| 教育記録 | 研修内容・受講履歴 |
| 相談・苦情 | 内容・対応履歴 |
| 書類管理 | 提出状況・保存状況 |
| 特定技能移行 | 試験・申請・移行状況 |
このように管理項目を整理しておくことで、必要な情報へ素早くアクセスできるようになります。
今後はシステムによる一元管理が重要になる
育成就労制度の開始に伴い、外国人材に関する管理業務はさらに複雑になることが予想されます。
受入人数が増えるほど、Excelや紙だけで管理を続けることは難しくなります。
近年では、クラウド型システムを活用し、
- 外国人情報の一元管理
- 面談・教育履歴の記録
- 添付書類の管理
- 更新期限のアラート
- 担当者ごとの権限設定
などを効率的に行うケースも増えています。
すべてをシステム化する必要はありませんが、管理する情報量が増えるほど、一元管理できる仕組みを整備することが業務効率化につながります。
まとめ
育成就労制度では、外国人材に関する情報を継続的かつ適切に管理することが重要になります。
Excelによる管理は手軽に始められる一方で、情報の分散や更新漏れ、引き継ぎの難しさなど、さまざまな課題が生じる可能性があります。
制度開始に向けては、どの情報をどのように管理するかをあらかじめ整理し、一元管理できる体制を整えておくことが、監理支援機関や受入企業にとって重要な準備の一つといえるでしょう。

